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「墨と黒」はじまりました

 

「墨と黒 ー日本の黒が伝えるものー」が始まりました(3月12日まで)。

 

 

以下、展示目録より*****

 

「西洋絵画の黒には物と質感を感じ、日本の黒には心を感じる。」

グレーの画家坂本善三が「黒」について語った言葉です。

坂本善三の黒は「坂本調」と呼ばれる独特の質感を持っていますが、では坂本善三が日本の黒に感じた「心」とはいったい何だったのでしょう。

 

「黒」と一口に言っても、墨の黒、絵の具の黒、ビロードの黒、エナメルの黒、影の黒、闇の黒など、色も質も異なる黒が世界にはたくさんあります。坂本善三の黒のルーツは、子どもの頃に見た木版画の版木の墨色やヨーロッパで見た煤(すす)に汚れた壁の黒、暗い日本家屋の濃い影の黒など、様々にあります。坂本善三が魅かれたそれらの黒に共通するのは、見る人の目を跳ね返す強さを持つものではなく、何もかもを受け入れ、どこまでも吸い込んでしまいそうな空間性です。そしてその深く折り重なった空間性を、私たちは坂本善三の絵の中に感じることができるのです。

 

この展覧会では、坂本善三の水墨をはじめとする「黒」の作品と共に、他の作家の作品や日常の中のさまざまな質感の「黒」を展示します。それらを見比べながら、ご自分の心の動きを探ってみてはいかがでしょうか。さまざまな黒はきっと、人の目が何を見、それによってどんなことを感じるのかを教えてくれることでしょう。

そして、坂本善三の語る「心を感じる黒」とは何なのか、みなさんそれぞれに思いをはせていただければ幸いです。

 

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(いちスタッフの私見)

今回は、黒がテーマの黒ばっかりの展示になるので、実のところいったいどうなるんだろうと思ってました。遠目からだと一見同じ黒でも少し近づくとまるで違っていて、黒という色の幅の広さ、奥深さを感じることができます。色味が同じ分、質感の違いをいつも以上に感じることができて、見ごたえのある展示です。こういうのを子どもたちに見せたらどんな反応をするだろう、と想像するのも楽しいです。ぜひ大人にも子どもにも見てもらいたいです。いろんな「黒」を見に、ぜひお越しください。